Björkとマイクロソフトがタッグを組んだAI音楽生成プロジェクト Kórsafn


ビヨークがマイクロソフトのAI、Azureを使用し、AI音楽生成のプロジェクトを展開し始めました。

Kórsafn
と名付けられています。

Kórsafnとはアイスランド語で、「kór」=「choral(合唱曲) 」と「safn」=「アーカイブ」を組み合わせた造語の様です。

正確には、マイクロソフトとニューヨークのシスターシティホテルのコラボレーションプロジェクトにビヨークがジョインしたといった方が良いでしょうか?

元々このシスターシティーホテルのプロジェクトは、昨年の2019年にアンビエントミュージックアーティスト、Julianna Barwickとともに始めたAI音楽生成プロジェクトでした。
センサーで感知した情報を元に既存の音楽素材をAI(マイクロソフトのAzure)で組み合わせて、リアルタイムに変化する音楽を生成しホテルのロビーで流す、という実験的な試みです。
その音楽素材としてビヨークが自身の合唱曲を提供するのが今回のKórsafnです。
合唱曲は、音源が組み合わされ再生されるだけでなく、一部は50人からなるアイスランド(ビヨークの出身国)の有名な合唱団”ハムラリッド合唱団”によって生で歌われているらしいです。


ハムラリッド合唱団

Members of the Hamrahlid Choir (male and female Icelandic college students) face the camera and stand in rows singing, while being conducted


どんな方法でAIが活用され、ビヨークの合唱曲が組み合わされ生成されているのか?

シスターシティーホテルの屋上に設置されたカメラで空を撮影、雲や鳥などを物体検出し、何かしらのアルゴリズムを使用して(これは是非知りたいところですが、情報は非公開の様です)音楽素材を選択、組み合わせて生成している様です。

こちらにデモの動画がありますのでご覧になってみてください。


いかがでしょうか?

シスターシティーホテルのウェブサイトにアクセスすると、現在の空の様子と、それを元にしたリアルタイム生成音楽が聴ける様なので是非アクセスしてみてください。


https://sistercitynyc.com/bjork


個人的にもAI音楽の未来は、既存曲(人ができる作曲)の自動化ではなく、新しい表現手法を実現し音楽の可能性を拡げるものであって欲しい(ゆえにそれを研究しているのです)と思っています。
それを現時点で具体化し実践した好例になる事を期待しています。


なおマイクロソフトの公式ブログ(英語)のURLはこちらです。

https://www.microsoft.com/inculture/musicxtech/bjork/