British Kolorizer : AI(ディープニューラルネットワーク)を使用した新しい真空管アンプシミュレーションプラグイン 期間限定で無料ダウンロード可能

イギリスのオーディオソフトウェアデベロッパーMaster Toneが、自身初となるプラグイン British Kolorizerを発表しました。

https://www.master-tones.com/products/

通常149ドルが現在無料でダウンロード可能です。
British Kolorizerは、真空管アンプのシミュレータです。
ただし、効果やカテゴリとしては、ディストーションやサチュレータと考えた方が適切かもしれません。
注目したいのはそのエフェクトの機能実現に、単なるオーディオ解析だけではなくディープニューラルネットワークが用いられているという点です。



Britsh Kolorizerのディープニューラルネットワークについて

Britsh Kolorizerでは通常のオーディオ信号解析(DDSP)に加えて機械学習とディープニューラルネットワークの組み合わせが用いられています。
ディープニューラルネットワークは機械学習の1ジャンルなのですが、なぜ組み合わせと表現されているのかは意図がわかりませんが、、、ニューラルネットワーク以外の機械学習手法も組み合わされているという事なのでしょうか。

下図は96khzのオーディオ波形をBritsh Kolorizerのニューラルネットワークで学習し、推論を行った比較図だそうです。

blog1-waveform-diff-overview

ほぼ完璧とも言える再現度です。
周波数ごとの変化をグラフにした比較図は下図となります。

blog1-waveform-diff-detail

スペクトラムです。

blog1-spectrum-diff

青が元の波形、オレンジがニューラルネットワークで学習、推論を行った結果です。
損失(エラー=違い)は1%以下と説明されていた様に思います。

検証の条件も詳細にはわかりませんし、この一つの波形だけの結果では精度を正確には判断する事はできませんが、きちんと内容についてこの様に公開されるのは評価できる事ですので素晴らしいと思います。




実装方法やレーテンシーなどの性能

実装は多くのVSTやAUプラグイン同様C++で行われており、数学のライブラリもC++との事です。
GPUをほぼ必要とせずCPUのみで動作可能で、レーテンシーも非常に低い、との触れ込みです。
我々も早速使用してみましたが、サチュレータとして及第点にあると思いました。
真空管感は、、、音色の好みがあえば価値はあるかと思います。

ただしCPUのパワーは消費多めです。

真空管のシミュレータは確かにCPUパワー必要とするものも多いのですが、たくさんのトラックで使用するのはハード側がそれなりの性能である必要がありそうです。。
もっとも短時間試しただけなので、改善の方法などもあるかもしれません。
ここはより検証の必要はあります。



通常149ドルが現在はイントロ期間で無料

との事ですので、試してみるのはありだと思います。
特に真空管的味付けのあるサチュレータをお探しの方に向いているのではないかと思います。