MIDI 2.0 の更なる詳細情報 AI音楽への影響は?新しい音楽表現は生まれるか?


以前の記事で詳細させていただいたMIDI 2.0

MIDIが2.0へ 登場以来初のバージョンアップ
https://canplay-music.com/2019/01/19/midi20announce/

更なる詳細が公開されました。

Details about MIDI 2.0, MIDI-CI, Profiles and Property Exchange
https://www.midi.org/articles-old/details-about-midi-2-0-midi-ci-profiles-and-property-exchange

今回のMIDI 2.0では、新しい接続や設定の方法、ベロシティーやピッチベンドの数値がより細かく、表現力の向上(扱えるエクスクルーシブデータの種類が増えるなど)、MIDI 1.0との互換性の確保、などが目指されています。
特に現状の1.0との互換性は強調されているところが見て取れます。

新しいMIDIの設定はMIDI CI (MIDI Capability Inquiry) と命名されているようです。

MIDI CIのキーとなる特徴は3つ
3つのBとして説明されています。


・Biderectional
これまで一方向的だったMIDI情報の受け渡しが双方向的になる

・Bacwards Compatible
MIDI 1.0は2.0との互換性を持ちながら、必要によっては1.0の機能による制御を行える

・Both
可能な限り、2.0で向上した機能は2.0でも使用できるようにする


さらにこのMIDI CIによって3つの事が実現でき、それらは3つのPで説明されていました。


・PROFILE CONFIGURATION
それぞれの楽器などにより個別のMIDI設定やマッピングが行える。

・PROPERTY EXCHANGE
楽器メーカーや機材の種類を超えて設定や制御を行える。

・PROTOCOL NEGOTIATION 
1.0との互換性を保ちながら分解能の向上や表現のパラメーター数増加など。
新しい機能の多くはMIDI 2.0 Protocolより提供されます。

今までのMIDI 1.0は扱えるデータ(ベロシティーやピッチベンドなど)が128段階でしたが2.0からは65536段階と一気に向上します。
またRPNやNRPNといったエクスクルーシブメッセージ(数値で個別に特定のMIDIパラメータ制御)といったものも今までよりもはるかに容易に使用できるようになっているとの事。
チャンネル数も16から256へと一気に拡大する様です。
この辺りは期待しましょう。

またcanplayでも使用・解説しているROLI SeaBoardでお馴染みのMPE(MIDI Polyphonic Expression)への対応も強化される様です。
動画をご覧ください。


今後多くの機器から新しい演奏表現が生まれるのではないかと期待されます。

AIを活用した音楽制作においても色々な新しい可能性が出てきそうです。
個人的には新しく生まれる演奏表現や、より機器間での双方向性が増し、取り扱いが可能になるであろう、音色作成やリアルタイムでのシーケンス制御などにAIの積極活用が期待されます。

MIDI 2.0によってよりAIやプログラミングによる制御が可能になります。
これから生まれる新しい音楽にはすごく期待ができますね。
非常に楽しみです!


記事投稿日:2019/5/27